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置場

妄想文を思いつくままに書き散らしています。更新頻度は低めの予定です。

2024.09.21
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2007.07.26
「地球へ・・・」ジョミーとハーレイ
原作寄りでナスカ編以後の短文です。ネタバレを含みますのでご注意を。











 百年の孤独



「ソルジャー、少しお休みになられては」
『構わない。――トォニィたちが戻ったようだな』
「ええ、そのようです」
『では彼らに次の目標を伝えてくれ』
「ソルジャー・シン!」
 攻撃対象を示すと、ハーレイは鋭い声とともに険しい表情を向けてきた。
「いったいどうなされたのですか!」
『何がだ』
 とぼけてみせると、彼はよりきつくこちらをにらみつけた。
「彼らは戦ってきたばかりだ。とても疲労している、なのに」
「それが彼らの役目だ」
「……あなたは」
 感情を堪えようとするように、ハーレイは目を閉じ息を整えた。
「近ごろのあなたは、ナスカの子どもらに対して厳しくあたりすぎている。ソルジャー、あなたは彼らを――自分自身までを極限に追い込んでいるようにしかみえない!!」
 先ほどの行為が無駄だったばかりか普段の制御まで忘れてしまったようで、こちらまでその高ぶりが伝わってくる。取り合わず、彼に背を向けて歩き出した。
『やはり少し休むことにしよう。部屋に戻る』
「ソルジャー!」
 叫び声が遠い。
 実直な男だ、ハーレイは。――彼にもああやって意見することはあったのだろうか。


 部屋に戻り、あるボックスを取り出した。それは先代の長の軌跡が残されているものだ。
 ソルジャー・ブルーを写した数少ないホログラム、貴重な紙に記された彼の筆跡、実験所での記録の一部。記憶バンクでは触れられないものたち――
 補聴器を手に取る。今では自分専用のものがあるのでそれを人前で使用することはなくなったが、彼の補聴器は他の何よりも耳に馴染む。
 託された補聴器を取り、いつものように耳にあてた。 









 そうして僕は、彼の孤独を知る。

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