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置場

妄想文を思いつくままに書き散らしています。更新頻度は低めの予定です。

2024.09.21
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2007.07.30
「地球へ・・・」
昨日の17話放送前に上げる予定でしたが、なかなか書き上がらずに断念してしまったものです。













 かわいい、かわいい



「ソルジャーソルジャー!ね、一緒に遊びましょ」
「ソルジャーは僕たちと遊ぶんだ!あっち行けよ!」
「や!そるじゃーこっちであそぶのー」
 通りがかった子どもたちの遊び場がいつもより騒がしいので何事かと近付いたハーレイは、そこで子どもたちに挟まれ、あちらこちらからひっぱり合いをされている渦中の人を見つけてギョッとした。
「ソルジャー!」
 慌てて駆け付けると、子どもたちは一旦動きを止めて彼を見遣った。
「キャプテンだ」
「こんにちは、キャプテン」
「はーれいだー」
 威厳の欠片もない呼ばれ方をされたうえ指までさされ、ハーレイははぁ、と頭を押さえる。
「駄目だよ。ハーレイと呼び捨てにしては。キャプテンと呼ばないと」
 ブルーはしゃがみこみ、その場でいちばん幼い子どもをたしなめた。
「きゃぷてん?」
「そう、それでいい。上手に言えたね」
 ブルーは身をかがめ、子どもの額にキスをする。嬉しそうな、くすぐったそうな笑い声が上がった。
「「「「あーー!!」」」」
「ずるい!ソルジャー、わたしにもキスして!」
「ソルジャー、僕!僕にして!」
 ますます騒がしくなった子どもたちに、ハーレイはどうしたものかと困惑する。しかし当のブルーはといえば困るふうでもなく楽しそうな笑みを浮かべ、脚にすがりつく子どもたちに次々とキスを落としていった。きゃあきゃあと笑い声が響き渡る。そこへ、
「なんの騒ぎだい」
 ブラウがひょっこり顔をのぞかせる。
「いつも以上に騒がしいの」
 ゼルが、そしてその後ろからエラとヒルマンまでもが現れた。
「長老だ」
「長老だー」
「みんないるね」
「ねー」
「ひまなのー?」
 勝手なことを言われるが、相手がこうも幼くては叱る気にもなれない、と長老たちは苦笑する。
「やあ、みんな来たのか」
 円の中心から、引き止めようと伸びる手をやんわりとかわしてブルーが長老たちの元へと歩み寄ってき。
「ちょうどいい」
 なぜだか上機嫌な彼の言葉に、長老たちは(何がちょうどいいのだろう)と内心で首をひねる。
「ヒルマン、ちょっと」
 ちょいちょいと手招きされ、「何でしょう」とすぐ隣の彼の目線に合わせてかがみこんだヒルマンの顔を両手ではさみこみ、ブルーはおもむろにその額にキスをした。 

 ぴしりと空気が固まる。 

「さっきまであの子たちにしていたから、君にも」
 おすそ分けだよ、と、彼は抗議など挟む余地もない完璧な笑みをのせて言った。
「そうですか…それはありがたいですね」
 どう反応すればよいのやら、とこちらは困惑気味の表情だ。 周囲もどう反応したものか迷うのだろう、微妙な空気が場に漂うが、ブルーはそれをものともしない。
「ブラウ、君にも」
「へ?」
 不意をつかれ、常らしからぬ気のぬけた声を発した彼女にもさっと手がのばされる。エラ、ゼルも同様だった。
 いいなー。また子どもが騒ぎ始める。その頭に手を置きながら、ブルーは彼から離れ、少しでも身を縮めようと無駄な努力をするハーレイへと向き直った。
「ハーレイ。隠れてないでこちらへおいで」
 君のその立派な体格をこんなところで隠そうとしたって無意味だよ。 
 渋々ながら隣へ行く。
「ソルジャー・ブルー……私は結構ですから」
「そうはいかないよ」
 そう言うと、ハーレイが逃げる間もなく彼の頬にブルーの白い手が添えられた。


 チュッ。


「なんと」
「あー!」
「あらまあ」
「なんでー!」
「おや」
「ずるいー!」
「ほーお」
 各人様々の声が飛び交った。それまで額にばかり落とされていたブルーのキスが、ハーレイの左頬に落とされたからだ。
「ハーレイがしゃがんでくれなかったからね」
 悪戯心溢れる調子で言われても反論することもできずにハーレイは一人固まった。どんどん赤くなっていく顔を、長老たちはおかしそうに眺めている。
「キャプテンだけずるい!」
「そるじゃー、ほっぺたにしてー」
 群がる子どもたちに、
「ごめんね、もう行かないといけないんだ」
 えー、と不満そうな声が上がるも、ブルーが一人一人の頭をよしよしとなでれば皆猫の子がのどをくすぐられたときのようにおとなしくなった。
「さ、行こうか。ティータイムに呼びにきてくれたんだろう?」
 ほらハーレイも、いつまでも固まってないで。
「ソルジャー…」
 力のぬけた声で呟く。妙に疲れた気がして、抗議の言葉も浮かばない。
「かわいいね、ハーレイ」
「…やめてください」
 クスクスと止まらない笑い声を聞くハーレイの顔は渋い。構わず、ブルーは嬉しそうに笑い続けた。 








 愛しているよ
 僕のかわいい子どもたち







ソルジャー・ブルーがミュウたちを「みんなかわいい自分の子ども」だと思っていたらいいなあと。長老たちが実はソルジャー・ブルーよりずっと年下で、子どもと言ってもいいほどの開きがあったりすると萌えます。
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