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置場

妄想文を思いつくままに書き散らしています。更新頻度は低めの予定です。

2024.09.21
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2007.09.22
「地球へ・・・」ジョミブル
最終話を前にして取り急ぎ。後で直します。
(24日)取りあえず折りたたみ。まだほとんど直していません。










「気持ちいいね」
 そう言って、青空の下でブルーは満足そうに微笑んだ。
「ほら、空があんなにも高い」
 指されて見た空は、確かにすっきりと晴れ渡っている。
「空を触れると思ったことはあるかい?……そんな目をしないで」
「え、僕どんな顔してました?!」
「どうかしてるんじゃないかとでも言いたげな表情だったよ」
 まさか、そんなことはあるはずがない。しかしそう見えたのなら大変だ。
「違います!そうじゃなくて」
「否定しなくても構わないよ」
「本当に違うんです!僕はただ――あなたでも、そんなことを言うのかと驚いただけで」
 そう言うと、目の前の人は小首を傾げた。ただでさえ300歳という実年齢が信じられない容姿だというのに、そんな仕草をするとますますいとけない風情になる。何だかいたたまれなくなったジョミーは、顔を微妙にそらした。
「おかしなことを言うね。僕だって子どもだったときはあるんだよ。それくらい考えはしたさ。それにね、年を重ねるとかえって稚気が出てくるものなんだよ」
「そうなんですか… 僕もちょっとだけ、考えたことがあります」
「そうか。なら同じだね」
 そんなことを言いながら彼は青空に負けないくらい晴れやかに笑うので、ジョミーはどんどん赤くなる顔に比例するように嬉しさも増していった。
「実際、どんなに高く飛んだって、地上から目にする『空』そのものには触れはしない。けど、おかしいかな。今でも時々、触れやしないかと思ってしまうんだよ」
 呟いてふっと目を細めた彼自身が、急に何よりも儚いものに見えて。
 思わず手をつかんで引き寄せ、抱き締めていた。
「ジョミー?」
 困惑する声をすぐ側に感じて、慌てて顔を引き離す。けれど体は離しがたく、腰に回した両手をより強く握りしめた。
「一緒に見に行きましょう。その、もっと体が良くなったら、ですけど」
 あなたと見るなら、きっと何だって綺麗に見えるから。
「だから――」
 息を吸い込んだ。
「ずっと、居てくれますよね?」
「ジョミー…」
 ブルーの形のいい眉がひそめられる。彼は開いた口を一旦閉じて、綺麗な笑みを浮かべた。
「そうだね。ずっと側にいるよ。また、一緒に空を見よう」
 その言葉が、その笑みが、さっきまでの自然なそれとは違うことに気付きながら、ジョミーも微笑んだ。きっと今にも泣き出しそうな顔をしているだろうと感じながら。



 不意に蘇ってきた情景を、ジョミーは首を振って払った。何事かと振り返るキースと案内の男へ何でもないと告げる。
 ――感傷に浸っている場合ではない。じき、全てが終わるのだ。ひしひしとしたその予感に身を委ねながら、ジョミーはつい先ほどの自分の思考を裏切るように、ブルー、と小さく呟いた。
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